伊古奈比咩命神社(正式名称)いこなひめのみこと
白濱神社(通称)しらはま　　　御　由　緒

白濱神社の御祭神、三嶋大明神はその昔(2400年前)遥か南方より黒潮に
乗り、この伊豆に到着されました。大明神は富士の大神様の御許しを戴き、
伊豆半島の南東の土地を譲っていただきました。その後、大明神は御供の
見目、若宮、剣ノ御子の進言により、伊豆の南に定住していた賀茂族の姫
神(伊古奈比咩命)様を后として迎え、白浜という所に宮を造り住まわれまし
た。その後、土地を広くする為伊豆の沖合いに島を造る事を富士の大神様
に申し上げ、御許しを戴き、見目、若宮、剣ノ御子は伊豆の竜神、海神、
雷神等の神々を集め島造り(島焼き)を始めました。

主　神
　　伊古奈比咩命(いこなひめのみこと)女性神
　　　　三嶋大明神の最愛の后神で縁結びと子育て
　　　　の神様です。
相　殿
　　三嶋大明神(みしまだいみょうじん)男性神
　　　　事代主命(ことしろぬしのみこと)であると
　　　　言われています。大国主命(おおくにぬし
　　　　のみこと)の御子神様にあたり、大国主命
　　　　を大国(だいこく)さんと呼ぶのに対して、
　　　　事代主命は恵比寿(えびす)さんと呼ばれて
　　　　います。
　　　　商業と漁業の神様です。
　　見　目(みめ)女性神
　　　　三嶋大明神の随神、海竜王と言われて
　　　　います。
　　若　宮(わかみや)男性神
　　　　三嶋大明神の随神。
　　剣ノ御子(つるぎのみこ)男性神
　　　　三嶋大明神の随神、武道の神様。
　

御祭神三嶋大明神が御供の見目、若宮、剣ノ御子と南方より黒潮に乗って
この伊豆の地に最初に着かれたのが、六代孝安天皇元年と言われていま
すから、今を去る２４００年前の事です。

無形文化財
　　　「三番叟の舞」(さんばそう)
　　　　　　　　下田市指定無形文化財第1号
有形文化財
　　　「大久保長安奉納鰐口」(わにぐち)
　　　　　　　　静岡県指定文化財
　　　「薬師如来座像」(やくしにょらい)
　　　　　　　　下田市指定文化財
　　　「神鏡三面」(しんきょう)
　　　　　　　　下田市指定文化財
　　　「掛仏一面」(かけぶつ)
　　　　　　　　下田市指定文化財
　　　「北条早雲朱印状」(ほうじょうそううん)
　　　　　　　　下田市指定文化財
史　　　跡
　　　「火達山祭祀遺跡」(ひたちやま)
　　　　　　　　下田市指定史跡
この他、将来指定されるものとしましては、古文書「三宅記」、
「拝殿奉納額三面」、「拝殿彫刻」、「神社裏の奇岩」等があります。

「青桐樹林」国指定天然記念物。
「いぶき樹林」県指定天然記念物。

白濱神社の祭典は、毎月1日、15日の月次祭(つきなみさい)を始めとして
年間数多く行われますが、中でも例祭は最大の祭典となります。
10月28日
　　「前夜祭」午後5時、「火達祭」午後5時半。
　　　火達祭は神社裏の海岸で行われる火祭りで、
　　　島々の后神御子神達に三嶋大明神の祭典の
　　　始まりを知らせる合図の火祭りと言われて
　　　います。(ひたちさい)
10月29日
　　「例大祭」午前11時。最大の祭典です。
10月30日
　　「御幣流祭」午後4時、「後夜祭」午後4時半。
　　　御幣流祭は3日間の祭典が無事終了した印に
　　　御幣という竹に紙を付けたものを海岸から
　　　各島々に向けて流す祭りで、海岸の大明神岩
　　　で行われます。
　　　この他、無形文化財の「三番叟」の舞は、
　　　29日午前6時より拝殿で舞われます。

現在の境内地の面積は4,588坪、境外地は8,000坪余りですが、昔の神域
はその何十倍にも及ぶ広大なものでした。

社殿は、大正11年の造営による三社間流造向拝付総桧造銅葺の本殿と
萬延元年造営の入母屋造向拝唐破風付総欅造葺の拝殿を主体とし、
その他江戸末期造営の境内社、社務所、参集所、授与所等があります。

最古のものとしては、日本後紀淳和天皇　天長9年5月22日の條に「伊豆国
言上、三島神、伊古奈比咩神二神預名神」とあります。今から約1,200年
ほど昔の記事です。この他、続日本後紀、文徳実録、三代実録等にも現れ、
その位は後土御門天皇文亀元年には、三島神、伊古奈比咩神共、正一位
という高い位を受けています。そして、延喜式には三島神社、伊古奈比咩命
神社が、二社共この白浜に鎮座していた事が書かれていて、その社格は
三島神社が官幣大社、伊古奈比咩命神社が国幣大社となっています。